なんだか忙しい日々が続いて、あとは個人的に参院選のことで頭がいっぱいだったのもあって、また更新が滞ってしまいました…。
好きな漫画紹介の少女漫画編の続きです。ここからは一記事で数作品について書きますね。相変わらず有名な作品はまぎれてると思いますが、この記事からマイナーな作品も多くなってくるので、お楽しみに!
*********************************************************************
もくじ!
まず一つ目。
朝まで待てません!(白泉社/AneLaLa)
絵柄でおや?と思った方もいるかもしれませんね。「キスよりも早く」の作者さんの作品です。漫画の編集者の男女の恋愛を描いています。私みたいな漫画オタクの人は漫画制作の裏側が見られるだけでけっこうお得な気持ちになります笑
(もちろん、編集者視点ではありますが)
少女漫画ですので恋愛メインではあるんですが、「へー、編集者さんて漫画家をこんな風にアシストしてるんだ!こんな仕事もあるんだ!」っていうおもしろさが付加価値としてあって、ついつい読まされてしまう作品。
漫画編集にとってのやりがいとは?うれしい、悔しい瞬間は?どういう形で漫画家をサポートしているの?持ち込みの相手や原稿の取り立て以外に何の仕事があるの?そういったことがのぞけます。
恋愛ストーリーとしては、素直で天真爛漫なワンちゃん気質の男性と、いつもきりっとして自分を素直に出すのが苦手なネコ気質の女性の物語。
恋愛部分も十分おもしろい!
肝は主人公のぺーくん(大友順平)。
意外といないと思うんですよ。素直で優しくて愛情表現豊かな少女漫画ヒーローって。
だって愛情表現豊かだったらすぐ恋愛成就しちゃうし笑
この作品は彼が主人公なので、男性が女性に惚れて、アタックしていく作品なんです。
心理描写も、彼側の描写が多いです。
彼がヒロインにするアタックは、彼は平然とやってますが、実はとても難しいこと。いつもにこやかで和やかだからごまかされちゃうけど、このぺーくん、本当はとても男らしくてかっこいい性格の持ち主です。
ヒロインより年上なのもあり、性格もきちんと大人。他社の敏腕編集者のヒロインの実力をまっすぐ認めて、追いつこうとがんばっています。そんな彼のまぶしいまっすぐさや人を動かす温かさに、ヒロインも彼を尊敬しています。
ヒロインの水落さんは、最初は他社のライバルである彼に対しクールにそっけなく振舞おうとしていましたが、だんだんと彼の天真爛漫さと笑顔に絆されてしまいます。気持ちを認めてからの彼女は、笑顔やデレも増えて、ぺーくんじゃなくてもきゅんきゅんしてしまいます。
編集者としてはライバルでありつつ、でも同時にラブラブカップルでもあるこの二人の今後がこれからも楽しみです。
二つ目。
王子様には毒がある。(講談社/別冊フレンド)
この作品の魅力を超端的に述べるとすれば、お耽美な美少年。
幼馴染の同級生のりずに対し完璧なまでに無垢な弟キャラを演じる颯太の素顔は、ちょっと腹黒いだけの、ただの一途な男の子。
本来の自分の性格を隠し続けるのは、ひとえに、大好きなりずと一緒にいるため。
主人公はあくまでもりず(下の画像)ですが、この作品が描いているのは明らかに、颯太の愛情です。
颯太が腹黒さを爆発させながら、りずと一緒にいるために奮闘する様子を見ていると、かわいいような、かっこいいような、切ないような、なんかもう形容しがたい不思議な気持ちになります。颯太が耽美すぎてドキドキしてしまうのですが、それに対してヒロインのりずはまさかの変顔要員。強烈な変顔ばかりで、イイ感じに(?)イケないドキドキをクールダウンしてくれます笑 読んだときに笑ってほしいので、ここに載せるのは控えますねw
どうして颯太は仮面をかぶり続けるのか。意外な真相に、驚くこと請け合いです。
ただ、物語の最後はちょっとダレて迷走してしまうので、そこは読み飛ばしてもいいかもです。
最後に、
桜蘭高校ホスト部(白泉社/LaLa)
随分前ですがアニメ化もされて、ドラマ化もされてるので、この作品は知ってる人が多いかなと思います。
まあ所謂逆ハー作品なのですよ。主人公の女キャラが男に囲まれて、複数人から想われるという。
でも、本当にそれだけだったら、こんなに人気作にはなっていないと思います。
普通と違うポイントその①。
いわずもがな、「ホスト部」とかいう一見イカレた設定笑。頭沸いてるの?という発想ですが、お金持ち学校の華麗なる遊戯って公言されちゃうと、「まあいいか」と思えてくる不思議w ホスト部というからには、ハルヒも男子を装って女子生徒に対して接客をするのですが、普通に溶け込んでるしファンもいて、本人もなんだかんだ女子にモテることを楽しんでいます笑
普通と違うポイントその②。
メインヒーロー(須王環)が父属性。
兄属性のキャラだったら、今まで割といたと思うんですけど、同年代なのに父属性って今までなかなかなかったと思います。
原作のいい画像がなくて、アニメですみません。
しかも、フランス人とのハーフの王子様キャラなのに、だよ???
なんでよりによって父キャラなのwwww
そもそも父キャラって何よ想像できないよって人が多いと思うので補足すると、ハルヒを実の娘と設定(さらに、ホスト部メンバーを母やハルヒの兄弟に設定)し、まんま娘バカなお父さん的な行動をとるのです。(例:「ハールヒー♡♡」と言いながらところ構わず抱きつく、男が近づきそうになったら「お父さんは許さない!」などと言う)
外見とのギャップがハンパない。
完璧なイケメン王子って見た目なのに、ホスト部の双子には「殿」と呼ばれてイジられまくるし、副部長かつ親友の鏡夜には頭が上がらないし、ハルヒにはウザがられるし、散々なヒーローなのです笑
その意外性のおかげで、「ホスト部」というびっくりする設定でも、「まあ環ならこういう発想しそうw」って思えるし、環が率先してギャグ的な行動をするので、シラけることがない。
あと普通に、逆ハーものとして「いろんなタイプのイケメンがいて、それぞれきちんとキャラ立ちしている」というのは読んでて読みやすいし、ときめきやすいです笑 これも人気の理由かと思います。
王子系:(上の画像参照)須王環(部長。父属性。明るいアホ。)
クール系:鳳鏡夜(副部長かつ店長。ホスト部の母役。影の大魔王。接客はしない。)
小悪魔系:(左から)常陸院光・馨(前髪の分け目でしか見分けがつかない双子。環とハルヒをよくおもちゃにしている。ホスト部の子ども役。)
ロリショタ系:埴之塚光邦(ハニー先輩。高校生とは思えない子供っぽさだが、武道が堪能で、精神年齢も普通に高い。)
ワイルド系:銛之塚崇(モリ先輩。ハニー先輩のお世話係。だが依存しているのはむしろこっちっぽい。寡黙。)
天然系:藤岡ハルヒ(主人公。自分の性別にあまり頓着しない。さっぱりした性格。ホスト部の娘役。)
これだけ網羅してれば、誰でも一人くらいは推しを見つけられるかと思います。
ちなみに、私は鏡夜と光推し。(もちろん、ハルヒとのCP的には環ハルが好きですが、鏡→ハルとか光→ハルとかも大好物です笑)
私はBLは嗜みませんが、この作品はそういう描写(主に常陸院ブラザーズの客が喜ぶ)もちょいちょい入ってくるので、そういうのが好きな人も楽しめるかと。
ただ、上に書いたことだけが推しポイントだったら、それなりに面白いけど、このブログで記事に使用しようとは思えなかっただろうな。
私がこの作品が大好きになった理由は、現在は「ホスト部」に属しつつ、メンバーそれぞれ抱えてるものがあって、それらがきちんと描写されるからだと思う。
例えば常陸院の双子は、そっくりすぎるからこそ、誰からも「個人」として認めてもらえなくて、二人の世界にこもりがちだった。そこから救ってくれたのが環だったし、「個人」をしっかり見極めて評価してくれるハルヒに惹かれて、「二人の世界」から自然と出られるようになった。(馨は結局ハルヒよりも光を大事にすると決めたけれど)
特に私が好きなのは、鏡夜のエピソードかな。鏡夜は「打算的でエゴイスト」なキャラを装ってるけど、本当はただの「優しくて空気も読める三男坊」なんだよね。
お父さんも好き、二人のお兄さんも好き。大企業の鳳グループにおいて、家族のどちらも大切にしたくて、どちらともうまくやっていけるように、「三男らしく活躍する」という分不相応な枠にこだわってしまっていた。
この枠を、環が取り払ってくれた(素直に生きたいように生きられるようにさせてくれた)からこそ、彼らは親友なんです。
真逆な性格の二人が親友であることに当初私は疑問に感じていたので、しっかりと回収してくれたのはうれしかったし、そのときの描写や言葉選び一つ一つがセンスに溢れてる。私はアニメが初見なんですが、すごくおススメです。
鏡夜は一見、いつもおバカな環にツッコんでいて、ワガママに迷惑させられていて、クールで誰に対しても打算的にしか接しなくて、っていう人に見えるんですけど、本当はクールどころか誰より優しく、熱い。そして、メンバーの誰よりも本当はホスト部が好きなんだなあというのが、物語を通して伝わってくるので、私は鏡夜が一番好きです。
ハルヒのことが好きなのか、という点では、匂わされたけれど、最後まで謎のままでした。きっと、馨にとっての光と同じように、鏡夜にとっては親友の環が何より 大事だからこその結論だろうなと思います。
興味を持っていただけた方は、ぜひ、ご一読ください。
朝まで待てません!:https://www.hakusensha.co.jp/comicslist/46514/
王子様には毒がある。:http://betsufure.net/lineup/oujisama.html