私が好きな漫画紹介第3弾。わかる人にはわかってしまう雑誌名…。
第3弾はなんとTL作品笑 その名もSugar&Spiceシリーズ。なぜシリーズと付くかと言うと、この作品は単行本ごとに作品タイトルが変わるからです。
でも、内容はずっと続きものです。
TL作品ってなーに?という心の清らかな方は回れ右です!
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この作品の筋書きをものすごくわかりやすく言うなら、のだめのJ-POPバージョン、もしくはのだめのTLバージョン、って感じでしょうか。
小さな世界(ファン15人程度のガールズバンド)で満足していた主人公のチナが、恋人のイズミに触発されて、次第に本気でプロの歌手を目指していく物語です。
音楽に真摯に向き合うチナ、そしてイズミと育む愛情を追っていると、「TL」という要素目当てで読み始めた人もそうでない人も、いつのまにかストーリーにのめりこんでしまうこと請け合い。
TLなのでリア友には恥ずかしくてなかなか紹介しにくいんですけど、個人的にかなりおすすめな作品です。TLなのでもちろんそういう描写はそれなりにあります。でも、それはメインではなく、あくまでも作品を引き立て、チナとイズミの感情を読者に伝えるための表現という位置づけだと思います。
この作品の魅力はなんといっても、イズミ!!
彼に尽きる!彼のよさは、ギャップ。
①出会いの印象と正体のギャップ
パブで見つけた軽そうだけどイイ男、誘惑してまんまと捕まえた!って感じでこの物語はスタートします。私も読み進めるまで、本当は音楽の話だなんて、この時点ではまったくわからなかった。
犬顔いいよね…私も好きだよ…(聞いてない)
だけど。だんだんわかってきた彼の正体に驚き。実はそれなりに有名なミュージシャンだった!!大物作曲家(プロデューサー?)のゴーストライターとかもやっちゃうくらいすごい人だった!!本業のバンド(トランペット担当)だけでなく、夜は超人気のDJで、大忙しの人だった!!
チナは付き合うまで、それをまったく知らなかったのでした笑
アパレル店のバイトをしながら細々とライブをしている自分に 比べ、対等なオトコだと思ってた彼氏は、実はミュージシャンとしては自分より2倍も3倍も大きい人で、努力も音楽にかける情熱もものすごかった。イズミは何よりも音楽に厳しい人だったのです。
チナは、私だって本気でプロを目指してる!と、イズミと肩を並べるミュージシャンになるために、音楽にひたむきにがんばるようになります。
好きな人に自分の目指す道を応援してもらえるって、とても素敵なことです。
②出会いの印象と本来の性格のギャップ
それなりに名が売れていてしかもイケメンの彼は、女性に困らない人生。チナと付き合ったばかりの頃も、今までカルい付き合いをしてきたような雰囲気をのぞかせます。
でも、「もしかして、すごく浮気性なんじゃ…」って読者の心配をよそに、びっくりするくらい、チナに対して彼は一途なんです。おそらくチナの前の恋人のときも、付き合った期間が短いだけで、浮気はしていない。軽そうに見えて、本当は恋人に誠実な人だったんです。(正確には、音楽に誠実で、恋愛は二の次な人かも…)
チナの美貌、音楽の才能、わがまま娘なところ、すべてにイズミは心底惚れこみ、夢中になっていきます。仕事仲間には厳しい彼が、チナに対してはふにゃふにゃのメロメロ(ニャンコなんて呼ぶくらい)。自分の大好きなカレが自分にメロメロなんて、幸せじゃないわけない!女の夢です。
③いつもの包容力とヤキモチ妬いたときのギャップ
いつものイズミは、チナの音楽の道を応援してくれて、チナにべた甘な最強彼氏。「チナのわがままに振り回されるのが好き」とのたまい、たいていのことはかなえてくれる。
連想するのは、大型犬と子猫が仲良くくっついてる動画。子猫にとっての大型犬のように、チナにとってのイズミは器の大きいやさしいやさしい彼氏です。
でも、本当はイズミにだって欠点はあるし、チナとぶつかってケンカをすることもたびたびです。チナはかわいくてグラマラスなので、割とモテます。そうやって自分が意地を張ってるときに、無自覚に(ときにはわざと)チナがほかの男と仲良くしてるときの彼は、いつもの余裕はどこへやら。もう恥も外聞もなく全力で妬いてる。
チナの世界がイズミで回っているのと同じくらい、イズミの世界もチナで回っている。
イズミとチナは対等にお互いを愛していて、それは本当はとっても難しいことで、私の中の「女性」すべてが「羨ましい!!」と叫んでしまう。
ほかにも、ちょっと古風なしゃべり方(ブラックジャックを思わせる…)がかわいいところとか、すごく子どもっぽい部分もあったりとか、イズミはほんとにすべてが魅力的。そして、そんな彼を振り回すチナちゃんに「もっとやれ!」と言いたくなってしまうのです笑
イズミのことばかり書きましたが、物語が面白いのは、チナちゃんの魅力あってこそ。
彼女の魅力は、自分に誇りを持っていること。イズミよりずっと無名でも、オーディションがうまくいかなくても、いじけないし負けない。自分にできることを続ける彼女はかっこいいです。
お遊びみたいなガールズバンドで満足してた彼女が、出会いと別れを繰り返しながら歌手として少しずつレベルアップしていくのはワクワクします。
興味を持って下さった方は、ぜひ読んでみてください。(TLなので、電子書籍がおすすめ笑 各巻の立ち読みもできます)
https://www.cmoa.jp/title/785/